イノーバのこだわり6 好環境性実現をめざして

深刻化する二酸化炭素排出問題

私たちの生活から排出される二酸化炭素が地球環境の悪化と密接に関係していることは誰もがご存じのことだと思われます。
世界中の生活の場から生み出される二酸化炭素は、何億年と続いてきた地球の環境を激変させるほど多く、また深刻な状況なのです。
では、実際に私たちの生活の場からどの程度の二酸化炭素が排出されているのでしょうか。

家庭からの二酸化炭素排出量(世帯当たり/燃料種別)

家庭からの二酸化炭素排出量
出展)温室効果ガスインベントリオフィス

家庭からの二酸化炭素排出量(世帯当たり/用途別内訳)2010年度
用途 排出量* 割合
暖房 697 14.6
冷房 124 2.6
給湯 674 14.2
キッチン 213 4.5
照明・家電製品など 1,500 31.5
自動車 1,287 27.0
ゴミ 166 3.5
水道 97 2.0
合計 4,758.2 100.0%

出展)温室効果ガスインベントリオフィス
総出量の単位は〔キログラム-二酸化炭素(CO2)換算〕

「日本の1990~2010年度の温室効果ガス排出量データ」(2012.4.13発表)

*排出量の単位は[キログラム-二酸化炭素(CO2)換算]

※ 家庭からのCO2排出量は、インベントリの家庭部門、運輸(旅客)部門の自家用乗用車(家計寄与分)、廃棄物(一般廃棄物)処理からの排出量、および水道からの排出量を足し合わせたものである。

※※ 一般廃棄物は非バイオマス起源(プラスチック等)の焼却によるCO2及び棄物処理施設で使用するエネルギー起源CO2のうち、生活系ごみ由来分を推計したものである。

※※※ 日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット 家庭原単位マトリックスをもとに、国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィスが作成。

*4捨5入のため、合計が100%にならない場合があります

住まいからカーボンフリーの毎日を実現するために

このように、私たちの日常生活からは多くの二酸化炭素が排出されています。この二酸化炭素排出量を減らし、やがてゼロ(=カーボンフリー)にすることができれば、地球環境改善の大きな一手になると考えられます。
現在、環境先進国であるドイツを中心とした国々では、こうした考え方のもと、冷暖房エネルギーの消費を抑えるため性能を高めた住宅=パッシブハウスが次々と生み出されています。
私たちイノーバは、このパッシブハウスの考え方に共鳴。高断熱・高気密性能をさらに高め、冷暖房エネルギー消費の少ない住まいづくに取り組んでいます。

イノーバの目標

熱損失係数 Q=0.5W/m²k

【参考】 次世代省エネ基準Ⅲ地域(宮城県を含む地域) Q=2.4w/m²k

現在、日本が掲げている「次世代省エネ基準」において、宮城県が分類される「Ⅲ地域」では、熱損失係数Q=2.4w/㎡kが基準値とされています。この熱損失係数を下回ることができれば、それだけ「熱の移動が少ない住まい(=熱を失いにくい住まい)」ということであり、冷暖房エネルギー消費が少ないということになります。
イノーバではこのQ値を将来的には0.5w/㎡kにまで引き下げたいと考えています。 もし、この数値が実現できたとしたら、それは文字通り「冷暖房がいらない住まい」。冷暖房に必要なエネルギー消費をなくし、二酸化炭素排出量を大幅に減らすことができるはずです。
快適な住まいに暮らすことで、地球環境ももっと快適になる。そんな住まいを目指すこと。これこそ、住まいという「生活の舞台」をお作りする企業として、イノーバがこれからもずっとこだわり続ける重要な課題の一つなのです。

さらに詳しく!

環境先進国ドイツに学ぶ

ドイツの家イノーバでは新住協の一員として環境先進国ドイツを訪問。環境に対する国としての考え方や住宅建設への補助制度、国民レベルでの環境・住宅への意識などについて直接触れる機会を得ました。これは2013年1月に新住協が主催した視察会に参加したもの。ドイツと日本の環境問題や住宅環境に対する意識差などを実感して参りました。
パッシブハウス誕生の地であるドイツは、イノーバが目指すカーボンフリーの毎日や、冷暖房エネルギーを極限にまで抑えた住まいの在り方について多くの示唆を与えてくれました。イノーバではこれからも高性能住宅先進国であるドイツに注目し、東北の環境に合った高断熱・高気密住宅の実現に努めて参ります。

環境先進国ドイツの印象

イノーバが視察を通してきた所感についてご報告いたします。

国として時間をかけて取り組んでいる印象
ドイツでは環境問題に対して国民一人ひとりの意識が非常に高いと感じました。つまり、国民一人ひとりに浸透するほどの時間とコストをかけて、国が取り組んでいるということです。高気密・高断熱住宅を建てる際の資材価格や国からの補助制度を見ても、その差は歴然。日本はまだこの分野に関して学び、成熟していく必要があると感じました。
国民に「格差」の気配
ドイツでは築数百年もしそうな石造りの家を受け継ぐ人もあれば、高断熱・高気密の先進的高性能住宅を建てる人もいます。これらは経済格差に寄るところが多いのではないかという印象を受けました。こうした格差問題は日本でも見受けられるものであり、今後どのように資材非・施工費を引き下げ、高性能住宅を一般化していくのか、慎重に注視し続けていかなければなりません。
住宅性能に対する認知度・成熟度の違い
日本では住宅の性能を評価する場合、住まい全体の熱損失係数(Q値)を主な指標にしています。ですがドイツでは住まい全体での係数を見るのではなく、窓やドアといった「住まいの部位ごと」の性能を研究し、それを企業が生活者に伝え評価を仰いでいるのです。日本はまだこれからです。イノーバは高性能住宅を提供する企業のひとつとして、これからも高断熱・高気密住宅の必要性と効果を広く伝えていかなければならないと考えています。