イノーバのこだわり1 グラスウール

快適な住環境は断熱材あってこそ

快適な住環境を生み出すために欠かせないものが断熱材です。断熱材は熱の伝導を防ぐための素材。外が暑いときは、外の熱が室内に伝わらないように。外が寒いときは、室内の熱が外に逃げてしまわないように。熱の伝導を断つことで、室内の快適さを維持するという考え方です。断熱材を入れない住宅は屋外とほとんど変わらない環境となり、快適とはほど遠い空間になってしまいます。住まう皆様がここちよく感じられる環境は、まさに「断熱材あってこそ」なのです。今日、住宅建設の現場で使われる断熱材は主に「繊維系」と「発泡プラスチック系」に分けられます。

断熱材の種類

繊維系断熱材
グラスウール
グラスウールリサイクルガラスや石灰岩などを主原料とした断熱材。非常に細かい繊維状の素材。ボード状や綿状、マット状などに加工することも可能。非常に高い断熱性能を持つ。
ロックウール
ロックウール本来は玄武岩を溶かし繊維状にしたもの。国内では主に鉄鋼生産のスラグ(残り)でつくられる。

など

発泡プラスチック系断熱材
押出法ポリスチレンフォーム
押出法ポリスチレンフォームポリスチレン樹脂に代替フロンなどの発泡剤や難燃剤を加えて作られるボード状断熱材。
硬質ウレタンフォーム
硬質ウレタンフォームポリイソシアネートとポリオールを主原料とする断熱材。基本的には現場で吹き付ける工法を採用。難燃性で消音効果にも優れている。

など

大手住宅メーカーなどでは加工・施工の容易さから発泡プラスチック系の断熱材を活用するケースが多いようです。ですがイノーバでは繊維系断熱材、特に「グラスウール」を活用しています。
グラスウールは水にぬらさない配慮が必要だったり、施工が難しかったりします。ですが、イノーバはあえてグラスウールを採用しています。

「空気をまとう」という発想

「繊維系」と「発泡プラスチック系」。住宅建設の現場ではさまざまな断熱材が用いられていますが、断熱性能を高めるために絶対欠かせない発想があります。それが「空気をまとう」という発想です。
空気は私たちが暮らすこの世界で最も手に入れやすく、高性能な断熱素材です。アラスカのトナカイが-50℃にもなる極寒に耐えられるのも、羽毛の布団がとてもあたたかいのも、蓄えられた空気の層が断熱してくれるからなのです。

空気の断熱効果

寒暖の差が大きい東北では、快適な住環境実現のためには、より多くの空気の力を借り、確実な断熱を実現しなければなりません。
その点、グラスウールは繊維と繊維の間に空気をたっぷりと蓄えることができ、住まいはいつも「ふわふわの羽毛布団をまとっている」のと同じ状態に。しかも、同程度の性能を持つ断熱材に比べて、材料費を大幅に抑えることも可能なのです。

「外壁付加断熱」の標準化

外壁付加断熱次世代省エネ基準施行以来、壁に充填する断熱材は50mmから100mm厚となり、現在は標準化された感があります。しかし日本の木造在来工法では、柱の太さ105mmが一般的であり、太くても120mm程度。つまり、壁の中に充填できるグラスウールの厚さも、柱と同じ120mm厚が限界でした。これではイノーバが目指す断熱性能を実現することはできません。
そこでイノーバではグラスウールの充填と外張り断熱を「付加断熱」として組み合わせる手法を採用しました。
この付加断熱に使用されるグラスウールボードは、撥水処理が施されており、建物外部にも使用できるよう開発された断熱材です。これらの付加断熱材を上手に使用することで、イノーバでは自社基準「Q値(熱損失係数)≦1.2W/m²k」実現を可能にしています。

炎に強い安心感

消防庁発表データによると、平成23年に発生した火災件数は年間(1月〜9月期)で36,961件。東日本大震災発生に伴い、宮城県・岩手県・福島県のデータを除いた数字になっていますが、それでも4万件にのぼる火災が発生しています。住まいにとって防火性能・難燃性能はやはり欠かすことの出来ない性能なのです。私たちイノーバがグラスウールを採用する理由のひとつがこの「火への強さ」があります。
グラスウールは「燃えない」「溶けない」「変形しない」という特性をもった断熱材です。また、たとえ炎にさらされたとしても煙や有毒ガスが発生することもありません。イノーバは、グラスウールを全面的に採用し、火災の炎から皆さまの生命と財産を守れればと考えています。

断熱材燃焼テスト

断熱材燃焼実験「外張り断熱工法」に多く用いられる発泡プラスチック系断熱材。主にRC(鉄筋コンクリート)構造の建物の断熱には大きな効果を発揮します。ですが、イノーバではこの断熱材を木造住宅に採用することはほとんどありません。その理由が発火しやすさです。発泡プラスチック系断熱材は十分な熱と酸素が供給されれば大きな炎を上げて燃え出します。メーカーは難燃剤加工をしていると言いますが、私たちの独自実験ではいずれの断熱材も激しく燃えてしまいました。
一方、グラスウールは元がガラスですから燃えることはありません。こうした安全姓も、皆様にグラスウールをご提供する大きな理由のひとつです。

さらに詳しく!

グラスウールは高性能断熱素材

断熱性能とはその素材がどれだけ熱を伝えにくいかを数字で表したものであり、熱伝導率と素材の厚さで変わります。
熱伝導率は「熱の伝わりやすさ」を示す値であり、値が小さくなるほど熱が伝わりにくい素材であることを示しています。

材料別断熱性能比較

断熱性能=熱の伝わりやすさ。値が小さいほど熱が伝わりにくいものであり、断熱剤として優れている素材だと言えます。
材料名 熱伝導率 W/(m・k)
グラスウール10K 0.050
グラスウール32K 0.036
高性能グラスウール16K 0.038
ロックウール 0.038
押出法ポリスチレンフォーム(1種) 0.040
押出法ポリスチレンフォーム(3種) 0.028
硬質ウレタンフォーム 0.026
※住宅金融公庫仕様書より抜粋

熱伝導率だけを見れば、グラスウールは決して「一番」ではありません。ですが、実際に住まいに導入していくと、快適な住環境創出のためには熱抵抗値(=熱を逃がさない力)の検討も必要になります。

熱抵抗値の比較

熱抵抗値=「厚さ÷熱伝導率」

熱抵抗値とは熱を逃がさない力のこと。
数値が高いほど「熱を逃がしにくい素材」であるといえます。

押出法ポリスチレンフォーム50mm(1種)の場合
0.05÷0.040=熱抵抗値1.3(m²・L/W)
硬質ウレタンフォーム50mmの場合
0.05÷0.026=熱抵抗値1.9(m²・L/W)
高性能グラスウール16K100mmの場合
0.1÷0.038=熱抵抗値2.6(m²・L/W)

経年劣化もほとんどなし

断熱剤は変形すると性能や効果が維持できなくなり交換施工が必要になります。
ですがグラスウールの主成分はガラスです。経年による劣化や変形がほとんどなく、非常にすぐれた耐久性をもっています。

築7年が経過した住宅の状況

A様邸(青森県)
住宅竣工時期/平成8年3月

築7年が経過した住宅の状況

これだけの時間が経過したグラスウールでも壁内で完全な乾燥状態を維持。度大の含水率は13%。結露の痕跡などは一切認められませんでした。

安価に導入できることも魅力

断熱材の導入費用イメージグラスウールは比較的安価に導入できるというメリットがあります。お住まいを検討される皆様にとって、導入高ストを抑えることができるということは、非常に大きな魅力になると考えられます。